大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(オ)231 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人江川庸二の上告理由第一点および第二点について。

所論の点の原審の事実認定は、原判決挙示の証拠に照らして是認しうるところで

あつて、右事実に基づく原審の判断は正当であり、原判決には所論の違法はない。

なお、被上告人B1らが所論の仮装譲渡につき善意であつたか否かは、当該不動産

の売買契約成立の時を基準として判定すべきであつて、登記の時を基準とすべきも

のではない(昭和三八年六月七日当裁判所第二小法廷判決、民集一七巻五号七二八

頁参照)。所論は、独自の見解に基づき、原審の認定にそわない事実を主張して、

原判決が適法に行なつた事実認定を非難するに帰するものであつて、採用すること

ができない。

同第三点について。

原審の確定したところによれば、訴外Dと被上告人B2の間の本件山林(杉立木

を含む。)売買契約が虚偽の意思表示に基づくものであることについて、被上告人

B1、同B3、被上告会社がいずれも善意であつたというのであり、原審の右認定

を是認しうることは、前述のとおりである。そして、第三者が民法九四条二項の保

護をうけるためには、自己が善意であつたことを主張、立証するをもつて足り、そ

の善意について無過失であることを主張、立証するを要しないと解するのが相当で

ある(昭和一二年八月一〇日大審院判決、法律新聞四一八一号九頁参照)から、原

審が、前記認定事実に基づき、訴外Dの相続人である上告人らは訴外Dと被上告人

B2の間の前記売買契約の無効をもつて被上告人B1、同B3、被上告会社に対抗

することができない旨判断したのは、正当であつて、原判決には所論の違法はない。

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論旨は理由がない。

同第四点について。

所論は、原判決には民法一七七条の解釈を誤つた違法があるというけれども、所

論の点の原審の判断はまことに正当であつて、原判決には所論の違法はない。論旨

は理由がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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